MREとは「Meal, Ready to Eat」の頭文字をとったもので、米軍で使用されている野戦食糧のことです。
このMREはまずいことでも評判で、Meals Rejected by Everyone(誰もが拒否した食べ物)や、Materials Resembling Edibles(食べ物に似た何か)など、ひどい言われようをしています。
今回はそんなMREの中でも、Menu.19 Beef Patty, Jalapeno Pepper Jackについて実食してみましたのでレポートしたいと思います。
Menu19 の全貌はこんな感じ!
MREの袋を開けると、このようにたくさんの小袋が出てきます。
食べ物は種類ごとに別々にレトルトパウチにされています。
飲み物などの液体はパウダー状となっています
写真の右下の緑色の袋はフレームスレーションヒーターというカイロのようなもので、水を入れると発熱します。
ここに食品のパウチを入れることで、火のない環境でも温かい食事が摂れるようになるという優れものです。
また、右下の透明のパウチはアクセサリーバッグといい、中には塩や砂糖などの調味料のほかに、食後のインスタントコーヒーやガム、マッチにウェットティッシュなどが入っているものです。
小袋の中身をメストレーに盛り付けるとこのような感じになりました。
それでは味について解説していきます。
メイン:Beef Patty, Grilled, Jalapeno Peper Jack Flavor
Menu19のメインは唐辛子入りのビーフパティでした。
この四角い肉っていかにも糧食という感じがして好きですね。
肉の断面はこんな感じです。
みっしりと詰まっていて、肉汁はほとんどゼロ。硬い目でパサパサ系の食感です。
唐辛子は赤と青の両方が入っていて、なかなかに辛い。
辛いの苦手な人は注意かも。
トルティーヤに巻いて食べると辛さが抑えられておいしかったです。
でも総合的に考えるとMenu17にあったポークパティの方が美味しいかな。
栄養成分(一袋85g)
カロリー:160kcal
タンパク質:17g
脂質:9g
炭水化物:3g
ナトリウム:370mg
メイン2:Au Gratin Potatoes
Menu19はメインがもう一つ、チーズポテトグラタンが付いていました。
これは基本的には美味しいんです。美味しいんですが。
ポテトが茹ですぎなのか、それとも変わった品種のせいなのか分かりませんが、ホクホクとも違う謎のもっちり感があります。
そしてほんのりと感じる謎の酸味。チーズのせいでしょうか?
好き嫌いの分かれそうな味な気がします。
栄養成分(一袋142g)
カロリー:150kcal
タンパク質:3g
脂質:6g
炭水化物:20g
ナトリウム:500mg
主食:Tortillas
トルティーヤはMREの主食の中ではそこそこ当たりと言えます。
ほんのりとした甘さがビーフパティの辛さをいい感じに中和してくれました。
栄養成分(一袋63g)
カロリー:220kcal
タンパク質:5g
脂質:5g
炭水化物:37g
ナトリウム:350mg
付け合わせ:Cheese Spread with Bacon
MREでおなじみのしょっぱいチーズスプレッド。
今回のはベーコンの欠片が入っていて、いつものよりちょっと豪華!
いつも思うんですが、MREってチーズ味に偏重しすぎな気がします。
今回に関してもチーズポテトグラタンがあるんだから、ピーナッツバターとかでもいいんじゃないの?
まあ結構味違うからいいんですが。
栄養成分(一袋28g)
カロリー:120kcal
タンパク質:4g
脂質:11g
炭水化物:0g
ナトリウム:390mg
調味料:Fat Free Mayonnaise & BBQ Sauce
何に使うのか分からないマヨネーズとBBQソースが調味料として付いていました。
マヨネーズはノンオイルだそうですが、PFCバランスに対する意識の高さでしょうか。
それぞれ味について解説します。
ノンオイルマヨネーズ
写真ではイマイチ伝わらないと思いますが、色が白すぎる。
絵の具と見紛うばかりの真っ白。
肝心の味は酸っぱい粘土味で、びっくりするほど不味い。
しかも粘土の主張が強く、少しつけただけで肉もトルティーヤも全部粘土味になります。
いつも食べているマヨネーズとは似ても似つかない酷いシロモノでした。
PFCバランスの心配よりもまずは味の心配をしてくれと言いたいですね。
栄養成分(一袋28g)
カロリー:20kcal
タンパク質:0g
脂質:0g
炭水化物:3g
ナトリウム:280mg
BBQソース
こちらは甘辛い味で普通に美味しいです。
チキンマックナゲットについてるものに似ていると思います。
ビーフパティに使うと辛味が抑えられていい感じでした。
栄養成分(一袋28g)
カロリー:35kcal
タンパク質:0g
脂質:0g
炭水化物:9g
ナトリウム:210mg
スナック:M&M’s
Menu18で彗星の如く登場してM&M’sが今度はピーナッツ味で登場。
ちなみに、このチョコレートは1941年にそもそも米軍向けに作られたものだそうです。
以来80年以上も補給物資に入り続けている、ものすごいベストセラーというわけですね。
しかし相変わらずおそろしく賞味期限が切れていますね…。
放出品なんで仕方ないことですが。
もちろん味は変じゃないですよ。
栄養成分(一袋49.3g)
カロリー:250kcal
タンパク質:5g
脂質:13g
炭水化物:30g
ナトリウム:25mg
飲み物:Beverage Base Orange Type III
今回のドリンクはオレンジジュースでした。
アクセサリーパックの中に入っておりいつものより小さめ。
カロリー調整のためか今回のは砂糖不使用、超低カロリー仕様です。
なのに味はいつも通り炭酸抜きファンタオレンジ味。科学の力ってすごい。
栄養成分(一袋4g)
カロリー:5kcal
タンパク質:0g
脂質:0g
炭水化物:2g
ナトリウム:125mg
デザート:Oatmeal Chocolate Chunk Cookie TFF
デザートは大きなオーツ入りチョコレートクッキー。
これ超ザクザクでめちゃくちゃ美味しいです。
アメリカのクッキーはヌチャヌチャしたものが多いのでいい意味で期待を裏切られました。
そして思ったよりチョコまみれ。逆見た目詐欺。
ザクザクすぎて手で割るとぼろぼろ散らかるのだけは難点。
もちろんトランス脂肪酸はゼロ。
アメリカ人はここに関してはとてもうるさいのです。
栄養成分(一袋227g)
カロリー:280kcal
タンパク質:3g
脂質:15g
炭水化物:35g
ナトリウム:100mg
最後に
今回のメニューはデザート系が最高だった一方で、メインが少し弱いかなと思いました。
ビーフパティも決して悪くはないんですが、メニュー全体の平均点で言えばMenu15や17に軍配が上がるかなという感じです。
なお、MREは食用ではなくコレクション用(眺めて楽しむ用)として販売されていることと思います。
食用とする場合はくれぐれも自己責任であることを抑えておいてくださいね。